高配当株投資を止め、インデックス投資1本にした理由
「高配当株こそが安定の象徴」――そう信じていた時期が、自分にもありました。
年4回の配当金が入るたびに、「少額でも不労所得って最高だな」と感じていたのを今でも覚えています。
けれども2年半続けた結果、最終的に自分はインデックス投資1本に絞る決断をしました。
今回はその経緯と、実際の数字をもとに考えた「高配当とインデックスの現実的な違い」について書いてみます。
高配当株投資を始めたきっかけ
自分が高配当株に興味を持ったのは、2021年の夏ごろでした。
当時、SNSやYouTubeでも「SPYD」や「VIG」といった米国高配当ETFが話題になっており、
「年4回分配金がもらえる」「株価が下がっても配当で補える」といった言葉に心を動かされたのがきっかけです。
ギャンブル依存から抜け出し、「お金を増やす側に回りたい」と思っていたタイミングでもありました。
最初の1年は、SPYDとVIGを毎月2万円ずつ、合計4万円を淡々と積み立てました。
結局2021年7月から2023年9月まで、ほぼ毎月同じペースで購入を継続。23年の10月~12月の3カ月は追加投資なしです。
トータルの投資額は108万円になりました。
これは、自分にとってはなかなか大きなチャレンジだったと思います。
数字だけ見れば“成功”だった
2024年に入り、高配当株の評価額を確認したところ、売却時点で118万円。
単純計算で利益率9.25%という結果でした。
税金などを差し引いたあとの実際の利益は約8万円。
正直、悪くない数字です。
2022年の調整局面でも「配当が入るから大丈夫」と思える点は、心理的にも大きな支えになっていました。
とはいえ、この結果を見て「やっぱり高配当株は最高!」とはならなかった。
むしろ、同時期に続けていたつみたてNISAのS&P500の伸びを見て、考え方が大きく変わったのです。
S&P500との比較で気づいた「複利のパワー」
自分は2020年から旧NISAでS&P500のインデックスファンドを積み立てていました。
毎年40万円を上限にコツコツと続け、2023年末時点での評価額は2,478,190円。
投資額は160万円です。
利益率は54.88%。
つまり、わずか4年で資産が1.5倍になっていたのです。
もちろん、投資開始時期や相場状況は異なるため、単純な比較はできません。
それでも、S&P500のリターンを見たとき、「これが自動再投資の複利の力か」と実感しました。
自分が手を動かさなくても、勝手にお金が働き、増え続けている――。
配当金を受け取る“瞬間的な嬉しさ”よりも、資産全体が雪だるま式に増えていく“静かな成長”の方に魅力を感じるようになったのです。
高配当株とS&P500の比較表
ここで、自分が実際に経験したデータをもとに、ざっくりと比較表を作ってみました。
投資額や期間に多少のズレはありますが、全体像としての違いをつかんでもらえればと思います。
| 項目 | 高配当株(SPYD・VIG) | S&P500(つみたてNISA) |
|---|---|---|
| 投資期間 | 2021年7月〜2023年12月(約2年半) | 2020年〜2023年12月(約4年) |
| 投資額 | 1,080,000円 | 1,600,000円 |
| 評価額(2023年末) | 1,180,000円 | 2,478,190円 |
| 利益率 | 9.25% | 54.88% |
| 純利益(税引後) | 約80,000円 | 約878,190円 |
| 配当の有無 | 年4回あり(再投資は手動) | 自動で再投資(配当なし) |
| 心理的メリット | 配当がある安心感 | 価格変動に慣れるまで時間が必要 |
| 実感した強み | 下落相場でも気が楽 | 複利の加速度が圧倒的 |
この表を作ってみて、あらためて「配当=現金収入」の魅力と、
「再投資による複利成長」の違いを整理できた気がします。
次は、自分がなぜ最終的にインデックス1本に切り替えたのか、その心理面を中心に書いていきます。
インデックス投資1本に切り替えた理由
高配当株を2年半続けたなかで、自分が一番感じたのは「配当金の現実」でした。
確かに毎回の入金通知は嬉しいのですが、実際に受け取る配当額はせいぜい数千円から1万円程度。
「これを生活の支えにできるレベルにするには、どれだけの資金が必要なんだろう」と、
ふと冷静に考えたとき、現実的なハードルの高さに気づいたのです。
例えば、月に3万円の配当を得ようとすれば、
仮に配当利回りが4%だとしても約900万円の投資元本が必要になります。
つまり、自分のような小規模投資家が目に見える不労所得を得るには、
まだまだ長い道のりが続くということ。
一方で、S&P500のインデックス投資は、配当を自動再投資しながら雪だるま式に増えていきます。
「いまお金をもらう」よりも、「未来の自分を豊かにする」仕組みのほうが理にかなっていると感じました。
“自分が働かなくてもお金が働く”という実感
ギャンブルをやめてからの自分は、「お金が減らない安心感」を求めていました。
高配当株はその点で、心理的な安定剤のような役割を果たしてくれたと思います。
しかし、インデックス投資を4年続けていくうちに、
暴落局面を何度も経験しながらも、「お金が自動で働く感覚」を体で理解するようになりました。
チャートを見ていない間にも、企業が利益を上げ、
その利益がファンドを通じて自分の資産に反映されていく――。
この“静かな働き方”こそが、まさに自分が求めていた安定そのものでした。
高配当株は「見える安心感」、インデックス投資は「見えない安心感」。
以前は前者に惹かれていましたが、今は後者のほうに深い信頼を置いています。
時間とともに価値を積み上げていく複利の仕組みは、
自分のように中途半端な人生でもやり直せる武器になると感じています。
“習慣”としてのインデックス投資
自分の投資スタイルは、筋トレやランニングと同じように、
「淡々と、感情をはさまずに続けること」を意識しています。
積み立て設定を一度してしまえば、あとは自動で買付が行われ、
相場を毎日チェックする必要もありません。
最初はつまらないと思うかもしれませんが、
この“退屈さ”こそが、投資を継続する最大のコツだと感じています。
ギャンブルをやっていた頃のように、短期間で結果を求めなくなったことで、
メンタルも非常に安定しました。
「今日の株価が上がった・下がった」で一喜一憂するのではなく、
「今月も買付が完了した」ことを小さな成功として積み上げる。
このマインドの変化は、自分にとって大きな財産になっています。
それでも“高配当株”を否定するわけではない
ここまで書いてきましたが、誤解してほしくないのは、
自分は高配当株を否定しているわけではないということです。
むしろ、当時のSPYDやVIGへの投資経験があったからこそ、
「どの投資スタイルが自分に合っているか」を理解できたのだと思います。
配当がモチベーションになる人もいるでしょうし、
現金収入を重視するライフプランなら高配当株は立派な選択肢です。
ただ、自分にとっては「資産拡大の効率」という観点で、
インデックス投資のほうがしっくりきた――それだけの話です。
まとめ
2021年から2023年にかけて、高配当株を約2年半続け、
最終的には約8万円の利益を得ることができました。
それ自体は十分に満足のいく結果でしたが、
同時期に積み立てていたS&P500のインデックス投資が、 高配当株に比べて
およそ6倍近い利益率を叩き出していたことを見て、自分の中で答えが出ました。
「どちらが良い悪い」ではなく、
“自分の目指す方向に合っているかどうか”。
その軸で考えると、自分はインデックス投資1本に集中する方が自然でした。
もし今、あなたが「高配当株にすべきか」「インデックスにすべきか」で迷っているなら、
どちらも少額で試してみるのも良いと思います。
数字だけでなく、続けていく中で自分の心がどちらに安定を感じるか。
それを見極めることで、あなたにとって最も“続けやすい投資”が見えてくるはずです。
自分もまだまだ道半ばですが、これからも淡々と、
S&P500の積立を「生活の一部」もしくは「家賃のような必要固定費」として続けていこうと思います。
それが、ギャンブル脳だった自分にとっての、
一番健全で、そして心が安定する投資の形です。