結局新NISAとiDeCoどっちがいいの?検証してみた

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新NISAとiDeCoを税金の観点から比較してみた|40歳からのリアルシミュレーション【年利5%運用・60歳以降も継続】

「新NISA」と「iDeCo」。
どちらも税制優遇を受けながら長期投資ができる制度として人気ですが、
実際にどちらが“お得”で、どちらが“使いやすい”のか――。
今回は、40歳の人が毎月5万円を20年間積み立て
その後60歳以降も年利5%で運用しながら毎月10万円を取り崩すという現実的なケースを想定し、
税金の観点から2つの制度を徹底比較してみます。
「節税」と「自由度」、どちらを優先すべきかを考えるきっかけになれば幸いです。

新NISAとiDeCoの基本的な違い

まず前提として、2つの制度の構造を整理しておきましょう。
新NISAは、投資で得た利益(売却益・配当)がすべて非課税になる制度です。
外国株の配当金については、日本国内では非課税となるものの、外国で課される源泉徴収税(例:米国株の10%)は免除されず、完全な非課税とはなりません。

一方で、積立額自体には所得控除がありません。
つまり、「運用中・売却時に課税ゼロ」な代わりに、「積立時の節税メリットはない」仕組みです。

対してiDeCoは、積立時に所得控除が受けられ、
その年の課税所得を減らすことができます。
ただし60歳まで引き出せず、受け取り方次第では税金が発生します。
つまり、「入口で得をするけど、出口で縛られる」制度です。

シミュレーション条件

今回の試算条件は次のとおりです。

  • 積立開始年齢:40歳
  • 積立額:月5万円
  • 運用利回り:年5%
  • 積立期間:20年(40歳〜60歳)
  • 取り崩し期間:30年(60歳〜90歳)
  • 取り崩し額:毎月10万円
  • 60歳以降も年5%で運用を継続(追加資金なし)

まず、40歳から60歳までの20年間で積み立てた元本は1,200万円
これを年5%で運用した場合、60歳時点の運用資産は約2,000万円になります。

この2,000万円を元手に、60歳以降も年5%で運用しながら毎月10万円(年間120万円)を取り崩すと、
なんと資産は90歳時点でも約390万円ほど残る計算になります。
つまり、追加資金ゼロでも30年の取り崩しに耐えうるバランスが取れているということです。

iDeCoの「節税効果」と「出口の罠」

iDeCoは、掛金が全額所得控除になる点が最大のメリットです。
例えば年収500万円の会社員が毎月5万円(年間60万円)を拠出すると、
課税所得がその分減り、年間で約10万円前後の節税効果が得られます。
これを20年間続ければ、累計で約200万円の節税
この数字だけ見れば圧倒的にお得に感じるでしょう。

ただし、落とし穴もあります。
まず、60歳まで資金がロックされること。
途中で教育費や住宅費が必要になっても、一切引き出せません。
また、受け取り時に課税される可能性がある点も重要です。

受け取りは「一時金」または「年金」として行いますが、
退職金や企業年金との重複によって、退職所得控除や公的年金控除の枠を圧迫します。
つまり、節税した分を将来返すことになる可能性もあるということです。

さらに、将来的な制度改正リスクも無視できません。
iDeCoは“年金制度の一部”として位置づけられており、
税制や受取年齢の変更が起こるたびに影響を受けます。
「出口戦略を立てにくい」というのが実際に使ってみた人の大きな不安要素です。

新NISAの「自由さ」と「シンプルさ」

一方の新NISAは、控除はないものの、税金面が非常にシンプルです。
運用益や配当がすべて非課税で、いつでも自由に引き出せる
途中で住宅購入・子どもの教育費などに充てることもできます。

また、iDeCoのように受け取り時に課税されることもありません。
“出口で一切税金がかからない”というのは、心理的にも非常に大きなメリットです。
さらに、制度自体も税制改正の影響を受けにくく、
長期的に安心して運用を続けられる設計になっています。

つまり、新NISAは“今の自由を守りながら、未来の安心も確保できる”制度。
ライフプランの変化に柔軟に対応できる点では、iDeCoよりも扱いやすいと感じています。

出口戦略で考える「税金の最終差」

ここからは、60歳以降の“出口戦略”に焦点を当てて比較してみましょう。
40歳から60歳までに形成された資産は、どちらの制度でも約2,000万円
そこから毎月10万円ずつ取り崩していく30年間(60〜90歳)を想定します。

まずiDeCoの場合、受け取り方次第で課税が発生します。
退職金などと重複すれば、退職所得控除の枠を使い切ってしまい、
一部が課税対象になる可能性があります。
仮に課税所得が年間50万円生じた場合、税率5〜10%として、
年間2.5〜5万円の税負担が発生します。
30年続けると、総額でおよそ75〜150万円の“逆戻り課税”です。

一方で新NISAはどうでしょうか。
取り崩しの際も非課税なので、どれだけ運用益が出ても税金は一切かかりません。
運用の途中で資金を動かしても非課税のまま。
つまり、「出口で課税ゼロ」というのが最大の優位点です。

積立時に節税できるiDeCoと、
出口で完全非課税の新NISA。
どちらが得かは「ライフプラン次第」ですが、
60歳以降も運用を続ける人にとっては、新NISAが圧倒的に有利と言えます。

60歳以降の“複利”が最大の差を生む

税金の差も重要ですが、
実はもっと大きいのが「運用を継続できるかどうか」です。
iDeCoは60歳以降の新規運用に制限がある一方、
新NISAは制限なしでそのまま運用を継続できる

この違いは、複利の観点で見ると致命的です。
たとえば60歳時点で2,000万円を持っていたとして、
それを年5%で回し続けるだけで、
70歳では約3,230万円、
80歳では約5,270万円
90歳でも約8,590万円に成長します。
(※毎月10万円の取り崩しを考慮しない単純運用モデル)

つまり、「運用を止めない」こと自体が最大の税制優遇になる。
これが新NISAの本質であり、
iDeCoにはない“自由と成長の余白”です。

「ハイブリッド運用」という最適解

とはいえ、iDeCoの節税メリットも見逃せません。
特に現役時代の税率が高い人(所得税・住民税合計で20%以上)なら、
掛金控除による節税効果は実質的に“利回り+1〜2%”の価値があります。

そこでおすすめなのが、
iDeCo+新NISAのハイブリッド運用です。
具体的にはこうです。

  • iDeCo:節税目的(老後の確定的資金)
  • 新NISA:流動性・柔軟性・複利成長の維持

つまり、「税金で得をしつつ、自由も確保する」。
2つの制度を“目的別”に使い分けるのが、最もバランスの取れた戦略です。

特に40代以降は、ライフイベントが多く資金需要が読みにくい。
だからこそ、新NISAを“いつでも引き出せる第2の財布”として活用し、
iDeCoを“老後資金の土台”として積み上げるのが現実的な形です。

「節税」よりも「自由」の価値が高まる時代

これからの社会では、税制よりも柔軟性のほうが価値を持ちます。
副業・転職・独立など、キャリアの変化が当たり前になり、
年収も税率も固定されない時代。
そんな中で、60歳まで引き出せないiDeCoは、
必ずしも“万人向け”ではありません。

一方の新NISAは、どんな環境変化にも対応できる。
必要なときに資金を動かせる安心感が、
精神的な安定や投資継続のモチベーションにもつながる。

「自由に動かせるお金」こそ、最大の安心資産
税金を節約するよりも、
資産をコントロールできる自由のほうが、
長期的にははるかに大きな価値を持つのです。

結論:60歳を“ゴール”にしない運用を

新NISAとiDeCo、どちらが優れているか――
その答えは、どんな人生を設計したいかで変わります。

もし「節税」を重視するならiDeCo。
もし「自由」と「継続運用」を重視するなら新NISA。

ただひとつ確実に言えるのは、
60歳で運用を止めてしまうのは、あまりにももったいないということ。
時間は、あなたにとって最大の味方です。

老後資金の正体は、「積み立てた金額」ではなく、
どれだけ長く複利を働かせられるか
新NISAを通して、その仕組みを“一生モノの習慣”にできた人が、
本当の意味での「経済的自由」を手にするのです。

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