投資をしないという選択は、実は“円にフルベット”しているのと同じ
「投資は怖い」「よく分からないから現金でいい」。そう思って“何もしない”という人は少なくありません。
けれど、それは「日本円だけに全財産を賭けている」という極めてリスキーな状態でもあります。インフレが進む今、そのリスクは静かに、確実にあなたの生活を削っています。
投資しない=円にフルBETという構図
投資をしていない人は、しばしば「自分はリスクを取っていない」と思っています。
しかし実際は、通貨「日本円」だけに依存するという、非常に偏った“フルベット”をしている状態です。
投資家は株式や債券、不動産、コモディティなどに分散してリスクを分けますが、
投資しない人は「日本という国」と「日本円」という一枚のカードに、全てを賭けているのです。
これはギャンブル時代の自分に例えるなら、
「この台は絶対に出る」と信じて全ツッパしていたようなもの。
外れた時のダメージが大きいのに、「安心」という幻想にすがって打ち続ける。
それと同じ構図なんです。
インフレという“静かな強敵”
最近はどこに行っても値上げの話題ばかり。
2015年ごろは500円ランチが普通でしたが、いまでは800円〜1200円。それでも「そんなもんか」と感じるようになりました。
コーヒーも昔はコンビニで100円が当たり前でしたが、150~200円が普通に見えるようになっています。
つまり、同じ金額を持っていても「買える量」がどんどん減っている。
それがインフレの正体です。
数年前に1万円で買えたモノが、今では1万2000円しないと買えない。
この差は“お金の価値が目減りした”ということを意味します。
日銀が金融緩和を続けて景気を支えようとしても、
円安や原材料費の高騰など、外部要因によって物価はじわじわと上がり続けています。
その一方で、給料の伸びはほとんど変わらない。恐ろしいまでにゆっくりです。インフレを超える速度で給料が(副業含め)伸びている人もちろんいらっしゃると思いますが、少数派だと思います。
つまり「可処分所得(自由に使えるお金)」は減る一方なんです。
これを放置していると、気づかないうちに生活水準が落ちていく。
インフレに強い資産とは?
歴史的に見て、インフレに比較的強い資産が「株式」です。
なぜなら、企業はインフレに合わせて商品価格を上げることで、最終的には利益を確保できる仕組みだからです。
私たちはその企業の成長に“乗らせてもらう”形で株式を保有します。
「いや、自分には株なんてわからない」と思う人もいるでしょう。
でも、いまはインデックス投資という非常にシンプルで合理的な選択肢があります。
たとえばS&P500(アメリカ主要500社)やオルカン(全世界株式)といった投資信託は、
低コストで世界中の企業に分散投資ができる優れものです。
個人的にはS&P500でもオルカンでも、正直どちらでも構いません。
コスト(信託報酬)はほとんど変わらないし、どちらも世界経済の成長を取り込めます。
つまり「どっちが正解か悩む時間」がもったいない。
重要なのは、「やる」か「やらない」か。
それだけなんです。
月1,000円でも始める価値
「投資なんて、お金がある人の話でしょ」と思っていた頃の自分に言いたい。
違う。むしろ逆で、お金がないからこそ始めるべきなんです。
投資は一撃必殺のギャンブルではなく、「時間」を味方につける地味なゲーム。
だからこそ、小さくても“今”始めることが最大のリターンを生みます。
仮に月1,000円でも構いません。
毎月積み立てることで、「価格の変動に慣れる」経験が積めます。
続けていけば、値動きが怖くなくなる日が必ず来ます。
そしてもう一つ大切なのは、積立を“生活の固定費”として組み込むことです。
家賃やスマホ代のように「毎月必ず支払うお金」として扱うと、投資はぐっと続けやすくなります。
不思議なことにそのお金を確保するために、他の出費にも自然と意識が向くようになります。
「なんとなく貯めたい」ではなく、「将来のために積み立てる」という明確な目的を持つことで、
お金を使う判断がシンプルになり、精神的にも楽になります。
私自身、最初の2年は1日の値動きに一喜一憂していましたが、
今では3%下がっても「ふーん」で終わるようになりました。
慣れこそ、最強のスキルです。
次に、実際に積立を続けた場合、どのくらい差が出るのか。
年利3%・5%・7%のケースで簡単なシミュレーションを見てみましょう。
積立シミュレーションで見る「やる」と「やらない」の差
仮に毎月1万円を積み立てた場合、20年後の資産をシミュレーションしてみましょう。
(※税金・手数料は考慮せず、単純計算で比較します)
- 年利3%の場合: 約327万円
- 年利5%の場合: 約397万円
- 年利7%の場合: 約522万円
積立総額は「240万円(1万円 × 12ヶ月 × 20年)」です。
それが年7%の運用であれば、約2倍以上の差になります。
これが「複利の力」です。
投資の世界では「金利が働く」というよりも、お金に自分の代わりに働いてもらうという感覚が近いでしょう。
では、もし何もせずに銀行に預けていたらどうでしょう。
この10年間、日本の金利はほぼゼロ。
つまり「やらない=実質的に減っていく」という現実に直面します。
100万円を10年間預けておけば、数字は変わらなくても、
実際の価値は“80万円分”の買い物しかできない世界が来ている。
これが「円にフルベットする」最大のリスクなのです。
「時間」が最大の味方になる
投資の世界では、金額よりも時間のほうが圧倒的に重要です。
10年後に始めるより、今日始めたほうが複利は強く働きます。
早く始めた人は、たとえ途中で積立額を減らしても、
時間の“積み重ね”が後半の伸びを圧倒的に変えます。
私自身、投資を始めて6年になりますが、
最初のうちは数万円しか利益が出ていませんでした。
しかし、投資を始めて4年程経った頃、
「今月の給料より投資益の方が多い月がある」ことに気づきました。
もちろん相場が良かっただけかもしれません。
でも、その瞬間にハッとしたんです。
――これは運じゃない、“時間”が作った結果なんだと。
ギャンブルで得ていたあの「一瞬のドーパミン」とは違う、
静かで確かな満足感がありました。
“積み重ねた時間”が可視化されていく感じ。
これが、投資を続けるモチベーションになっています。
SNSやニュースは見ない方がいい理由
投資を始めたばかりの頃、SNSを見ては焦っていました。
「今は米国株危ない」「暴落が来る」なんて言葉が飛び交うたびに、
積立を止めたくなったこともあります。
さらに、「この銘柄にぶっこんだらソッコー1億いった」みたいな投稿を見かけると、
自分のやっていることが急に間違っているように思えて、落ち着かなくなる。
コツコツ積み立てている自分が、まるで“鈍足”に感じた瞬間もありました。
でも、そういう情報のほとんどは短期か、そもそも嘘くさい。
自分の目的は“長期の資産形成”であって、トレードではない。
そう気づいてから、SNSをほとんど見なくなりました。
相場が上がろうが下がろうが、
やることはいつも同じ。「毎月、自動で買うだけ」。
これが一番シンプルで、一番続く方法です。
市場のノイズに振り回されない人が、最終的に勝ちます。
まとめ:やらないリスクに気づいた人から動き出す
「投資はリスクがある」という言葉は間違っていません。
でも本当は、投資をしないことにもリスクがあるんです。
それは「円だけに賭け続ける」という、見えないギャンブル。
この現実に気づけた人から、少しずつ抜け出していけます。
月1,000円でも構いません。
大切なのは「時間」と「習慣」を味方につけること。
最初は怖くても、やっていくうちに“慣れ”が自信に変わります。
将来、今の自分が「なんでもっと早く始めなかったんだ」と思う日が来るかもしれません。
でもそのときには、もう次の誰かがあなたのように動き出しているはずです。
投資はセンスではなく、継続の競技。
そして、最初の一歩を踏み出す勇気だけが、
あなたの未来を“円だけに賭けない”生き方へと導いてくれます。